歴史小説っておもしろい~

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個人的趣味の世界~

今回も司法書士という枠組みを離れ、個人的趣味の世界になりますが、私が高校生のころから興味が尽きない歴史小説について話してみます。

そもそもが小説というものは、フィクションであり、作家の想像の産物なので、そこから何かを学ぶというのは気を付けたほうがいいと思っています。
しかし、小説といえども、歴史小説は史実を土台に組み立てられているので、現在の私たちの人生・生活を考えるときに、良い判断材料を提供してくれることもあるかなと感じます(もちろん、史実もどこまで真実かを知るのは難しいですが…)。故事成語というものが、今日でも耳にするのはそのようなところではないでしょうか。
それはさておき、まずは、(直接、古典ではありませんが)古典の記録を材料に書かれた現在の歴史小説「項羽と劉邦」を基に、その魅力を語ってみたいと存じます。

☆「項羽と劉邦」について
「項羽と劉邦」は、限られた古典の記録を基に、作者の想像を加えて書かれた、有名な司馬遼太郎の時代小説です。

〈大雑把なあらすじ〉
紀元前221年に秦が中国を統一しましたが、「法律によって人民を支配する」との考えが行き過ぎて、過酷な時代になってしまいました。
例えば、農民がいつどれくらいの量の種をどのような間隔で蒔くのかなど、人民の生活まで細かく決められ、違反すれば厳しい罰則が待っているというようなものでした。
それに加え、万里の長城や始皇帝陵の建設などの過酷な土木事業にも人民は従事させられるなど、不満が中国全土に充満しました。
そのため、始皇帝死去後、陳勝・呉広の乱から始まり、天下は再び乱れましたが、最終的に、若く、元高貴な家柄で、圧倒的に強い武力を持った項羽と、年配であり、農民出身にして、いささかいい加減な性格の劉邦との、二人の争いに集約されました。
これが、本小説の主題ですが、最終的には、ご存知の通り、劉邦が勝利します。
なぜ劉邦が勝利したかが重要ですが、それは以下の理由が挙げられています。

●項羽は、戦いの実務は有能であり、時に非常に情けのある人ではあったが、自分が有能なので、仕事を人には任せきれず、また、恩賞も出し惜しみや、不公平があった。
●それに対し、劉邦は、自分に実務能力がないことが分かっていたから、有能な人材の意見を聞き、実力を発揮させ、また、恩賞を出し惜しみしなかった。

 ゆえに、項羽は、当初、有能な人物が陣営にいたにもかかわらず、人材を生かせなかったが、劉邦は、自分より有能な人材を使いこなした、というところに集約されています。

私はこの劉邦がなぜ勝ったのかについて強い関心を持ち続けてきました。
中国の歴史は、この小説にかぎらず、司馬遷の「史記」(小説ではありませんが)に出てくる「士は己を知る者のために死す」という話や、(出典は忘れましたが)楚の荘王の話として、「鳴かず飛ばず」、「絶纓(ぜつえい)の会」など、感銘を受ける話がたくさんあります。
この「項羽と劉邦」や「三国志」から歴史に強い関心を持つようになりました。
それが高じて、この中国の歴史や、日本の歴史、西洋の歴史に興味を持ちました。

同じく歴史小説としては、塩野七生氏の「ローマ人の物語」も面白いと思います。
特に、カエサルの言葉とされている「人は見たいと思うものしか見ない」という(カエサルは見たくない現実も人々に直視させようとしたが、後継者のオクタヴィアヌスは見たいものだけ見せておくという手法をとった)話など、(共感してるわけではないですが)印象に残っています。
私もこの本に出合ったのが、社会人になってからであり、長編なので、落ち着いて通して読んではいませんが、興味深い内容があると感じます。