【武蔵野市の司法書士】所有権登記名義人の住所等変更の義務化
令和3年4月21日に民法等の一部を改正する法律が国会で可決成立しました。
これにより相続(遺贈も含む。)における不動産登記が義務化されましたが、その他の改正として、所有権登記名義人の住所や氏名が変更した場合の変更登記も義務化されました。
ただ、法律は可決成立してすぐに施行されるわけではありません。
条文では、「交付後5年以内に施行する」となっていますので、この後、政府がいつから施行するか決めることになります(相続等の登記義務化は3年以内)。
おそらく、令和7年から8年ぐらいだろうと思われます。
では、施行されたら、「いつまでに登記すればよいのか?」ですが、端的に言うと、「変更があった時から2年以内」となります(相続等の登記義務化は3年以内)。
ここで、注意しなければならないのが、法律施行前に発生したが、まだ登記していない住所等変更についても対象になるということです。
この場合は、「施行後2年以内」となるわけです。
では、施行後に発生した住所等変更については、どうか?
●住所等変更日から2年以内に登記しなければならない、となります。
☆住所の変更登記の必要書類
登記記録上の住所からつながりの付く住民票あるいは戸籍の附票(本籍地の市役所等で保管している戸籍記録に付随する住所記録)が必要です。
しかし、1回の住所移転ならば現在の住民票を取れば、前住所が記載されていますので、それで足りますが、それ以上の住所移転ならば、その前住所地の市役所等より取り寄せなければなりません。
あるいは、本籍地で戸籍の附票を取得する方法が考えられます(これには記録冊子が作成されてからの住所の変遷が載っています)。
しかしここで、問題が出てきます。
住民基本台帳法の改正により令和1年6月20日からは「閉鎖された住民票・戸籍の附票の保存期間は150年」となりましたが、それ以前は「保存期間はたったの5年」でした。
例えば、三鷹市から武蔵野市に住所移転し、さらにその後、練馬区に住所移転すれば、三鷹市、武蔵野市の住民票記録は閉鎖されます。
現在の住民票である練馬区には、前住所である武蔵野市の住所は載っていますが、三鷹市の住所記録は載っていません。
三鷹市での住所移転が5年以前ならすでに破棄されていることになります。
その場合は戸籍の附票を取り寄せてみる必要があります。
本籍地を長く変えていなければ住所の変遷を辿れる可能性が高いです。
ここで、「可能性が高い」と申し上げたのは、確実ではないからです。
(これは住民票においても言えることですが)本籍地を動かしていなくても、各市町村の独自のスケジュールで、戸籍等の記録冊子をコンピュータ化等のために書式を作り替えられることが多くみられ、その場合、新しい冊子となり、以前の記録は「閉鎖」扱いになります。
このようなことが戸籍、住民票、ともにみられ、「5年」の縛りに苦慮させられました。
これが、「150年」になったことで今後は苦労がなくなってくるとは思いますが、令和1年6月20日以前に保存年限を迎えていたものは、復活するわけではなく、既に破棄されており、記録が取れません。
法務局では、その場合、「取れるところまでとにかく取ってください。それでもダメなら権利証等をつけてください。」となります。
権利証等も紛失してしまっていたら、・・・。
いずれにせよ、住所変更登記は、あまりに放っておくと、手続きが面倒になります。
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