【武蔵野市の司法書士】成年後見について
成年後見制度について思うところを述べたいと思います。
昨今、成年後見制度について、使い勝手が悪いというような話を耳にすることがあります。
民事信託(家族信託)の話が出てきたときに、よく枕詞のように語られるようです。
確かに、相続税対策など、積極的な財産活用を考えた場合、また、代々財産を守っていきたい老舗の伝統ある事業者さんなどには、限界があるのは事実です。
しかし、民事信託(家族信託)も万能ではなく、それもまた、限界があります。
そもそも、これらの財産管理の手法において、一番大事にしなければならないものは何か?
それは、成年後見であれば、被後見人本人の幸せです。
民事信託(家族信託)であれば、委託者本人の幸せです。
つまり、その財産所有者の幸せがまず第一です。
ただ、成年後見については、被相続人本人のみの幸せを願うが、民事信託(家族信託)については、委託者本人のみならず、場合によっては、委託者が気に掛ける自分亡き後に残される人々や資産までも視野に入れるというところが大きな違いかなと思います。
民事信託(家族信託)は、昨今、(私も含め)注目を集めており、十分な活用がこれから期待されるところですが、上記にも述べた通り、限界はあるので、どっちがいいか悪いかではなく、その状況により、併用し、限界を相互に補完しあう、ということになりましょう。
そこで、前置きが長くなりましたが、今回は、成年後見について、経験を踏まえ、思うところを述べたいと思います。
民事信託(家族信託)を勧めるセミナーでは、成年後見は「こんなに使い勝手が悪い」という話が強調されることがあります。
おそらく、民事信託(家族信託)を勧めたいあまりのことだとは思いますが、自分がやっている成年後見の実務を考えると、現場はそんなに酷くはない、と思っています。
「親族が「被後見人のためにエプロンを買ってあげてほしい。」と要望したところ、「そんなものは必ずしも必要ではない。」と成年後見人から言われ、買ってあげられなかった。」という新聞記事を例にとり、成年後見とはこんな感じです、という説明を聞いたことがあります。
確かに選任された士業の成年後見人の性格によっては、偏った対応が取られてしまう場合も考えられなくはありません。
しかし、私たち士業も人間です。圧倒的に、多くの士業は、現実の目の前の問題に、人間的感情を理解しながら、裁判所と相談しながら、柔軟に対応して居る場合はほとんどではないでしょうか?
それでも、その士業さんの性格や、経験不足のために慎重になりすぎているという場合、親族の方は管轄の家庭裁判所に相談してみるのもよいかと思います。
勿論、不正がある場合でなければ、解任はできませんが、家庭裁判所から辞任を示唆してもらい、その士業さんが辞任を申し出たという例もあるようです。
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