【武蔵野市の司法書士】小選挙区制に疑念あり
コロナ対策の不評により菅内閣が退陣し、変わって岸田内閣となりました。
それを契機として総選挙が日程に上り、まもなく国政選挙が開始されます。
そのため、各党は、その準備を整えつつあります。
しかしそれを見ていると、各党は随分無理をしているように思われます。
どういうことかと言いますと、小選挙区制のために、無理にまとまらなければならないため、自分達の本来の主張を押し殺しているように見受けられます。
まず、立憲民主党ですが、党首の枝野さんは、松下政経塾出身で、基本的な政治姿勢は、(私はそのような区分けが嫌いですが、あえて、皆さんにイメージしやすいように述べるなら)保守あるいは中道であろうと思います。
しかしながら、小選挙区制においては、大きくまとまらなければ勝てません。
そのため、中選挙区制であったなら、決してこれほど共産党に接近はしなかったでしょう。涙を呑んで背に腹は代えられない、ということでしょう。
また、自民党とて、公明党とここまで結ぶこともなかったでしょう。
さらに、それぞれの選挙区で戦う各候補者たちも自身の本来の持ち味を薄め、個性を捨て、万人受けするように、本来の自分を殺しているように思えます。
かつて私がまだ20代の頃、中選挙区制の時代に細川内閣成立で、それまでは考えられなかった政権交代が行われました。
その後、小選挙区制が導入されたのですが、それは、「政権交代」がしやすくなるためでした。
その頃、古株の元衆議院議員秘書の方がボソッと「小選挙区制でなくても政権交代できたじゃないか」とつぶやいていました。
私も同じ気持ちを抱いていました。
勿論、政治に緊張感を持たせ、政官財の癒着を防ぐため、政権交代があることはいいことだとは思っています。
しかし、中選挙区制の下でも、私たち国民が求めるならば可能だということが証明されたのです。
中選挙区制の弊害も指摘はされてきましたが、今日の小選挙区制のあり方を見るに、その害の方が大きいのではないかと、ふと、感じるのです。
先ほど、無理にまとまらなければならなくなること、議員のそれぞれの持ち味が殺されていること、を申し上げました。
中選挙区制ならば、各党も少数ながらも自分たちの目指す大切なものを捨てずに、また、議員個人も、自分の得意な持ち味を保ちながら、無理に世におもねることなく、堂々と国会で主張できるのではないでしょうか?
昨今の危機的な状況を、それぞれ強みを持った議員たちが口角泡を飛ばしながら克服していく。
私は、そのほうが良いと思います。
日本ではまだ小選挙区制は早すぎたのではないか。小選挙区制が導入されるべき時は、2大政党が無理にではなく、まとまるべくしてまとまった結果として出来上がったときであろうと考えます。
議論を重ね、大きな理念を共有するという作業を議員さん達に急がせる役割を小選挙区制が結果邸に果たしたのであれば、結果オーライと言えたかもしれません。
しかし、そうではなく、理念の共有には目をつむり、選挙という死活問題のため、呉越同舟により、選挙勝利をつかむ、ということでは、この国に希望は持てるでしょうか?
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